●フグ毒(テトロドトキシン[tetrodotoxin]) |
もっとも有名なのは誰もが知っているフグ毒(テトロドトキシン)だと思います。この毒、フグが作り出しているわけではなく、食物連鎖によって毒がフグの体内にたまるのではないかといわれています。ですから全てのフグがフグ毒を持っているわけではない様ですし、個体差がある様です。
しかし素人料理は危険です。絶対やめましょう! 例えばキタマクラ、トラフグの肉は無毒ですが、ちゃんとさばいたつもりでも血や内蔵が残ったりするそうです。また、加熱調理しても毒性はなくならないのでとても危険です。やはりフグが釣れたらリリースしましょう。
また、フグ以外のお魚(動物)もこの毒を持っている場合があるので注意が必要です。
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フグ以外でフグ毒を持っている主なモノ |
毒の強さ |
備考 |
魚類 |
ハゼ科 |
ツムギハゼ |
皮膚に毒性 |
毒性は地域差が激しい |
ブダイ科 |
アオブダイ |
? |
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ナンヨウブダイ |
? |
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チョウチョウウオ科 |
サザナミヤッコ |
? |
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ヒトデ類 |
モミジガイ科 |
トゲモミジガイ |
体内に猛毒 |
棘には毒はないが鋭いので注意が必要 |
モミジガイ |
体内に猛毒 |
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甲殻類 |
カブトガニ科 |
マルオカブトガニ |
? |
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オウギガニ科 |
ウモレオウギガニ |
猛毒
他にサキシトキシンをもつ個体も |
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スベスベマンジュウガニ |
猛毒
他にサキシトキシンをもつ個体も |
中毒症状を起こし致命率が高い |
頭足類 |
マダコ科 |
ヒョウモンダコ |
唾液に猛毒
ひと噛みで出す毒の量
(7人分のマヒあるいは致死量) |
オーストラリア(死亡例)
死亡例では2時間以内に死亡 |
貝類 |
オオニシ科 |
オオナルトボラ |
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ヒトデを専門に食べる貝
トゲモミジガイを食べて有毒化 |
フジツガイ科 |
ボウシュウボラ |
猛毒? |
日本で食中毒(死亡例も) |
オリイレヨフバイ科 |
ハナムシロガイ |
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フグのエサ
フグの毒に関係あり? |
アラレガイ |
猛毒? |
トゲモミジガイのエサ
フグの毒に関係あり?
台湾で食中毒(死亡例も) |
エゾバイ科 |
バイ |
猛毒? |
日本で食中毒(死亡例も) |
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●シガテラ毒(シガトキシン[ciguatoxin]、マイトトキシン[maitotoxin]など) |
もともとはカリブ海に生息するシガ[cigua]と呼ばれる巻貝で起こった食中毒のことだったそうです。その後、その巻貝だけではなく、カリブ海でとれた魚介類による食中毒をさす様になり、現在では珊瑚礁
周辺に住む魚によって起こる食中毒の総称として呼ばれている様です。
シガテラ毒事例のある主な魚 |
備考 |
アジ科 |
カンパチ |
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ヒラマサ |
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ギンガメアジ科 |
ギンガメアジ |
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ウツボ科 |
ニセゴイシ |
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ドクウツボ |
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カマス科 |
オニカマス |
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ハタ科 |
ユタカハタ |
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ヒトミハタ |
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アカマダラハタ |
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オオアオノメアラ |
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バラハタ |
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イシダイ科 |
イシガキダイ |
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フエダイ科 |
イトヒキフエダイ |
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イッテンフエダイ |
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ニセクロホシフエダイ |
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バラフエダイ |
中毒事例が多い |
ブダイ科 |
ナンヨウブダイ |
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ニザダイ科 |
ヒレナガハギ |
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ニジハギ |
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サザナミハギ |
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アイゴ科 |
アイゴ |
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●サポニン[saponin](ホロスリン[holothurin]、ホロトキシン[holotoxin]、スティコポシド[stichoposide]、ククマリオシド[cucumarioside]など) |
サポニンは植物界に多く、起泡性(石鹸の様に持続性の泡を生じる物質)があることから、ラテン語の石鹸を意味するsapoにちなんで付けられた名前です。ペットボトルのお茶を振ってしまうと泡立つのも、お茶の葉にサポニンが含まれるからだそうです。
このサポニンは動物界では、ヒトデとナマコにしかみられないそうです。しかも、ほとんどの種がサポニンを含んでいます。
●主な事例
・オーストラリア産ナマコを食べて数人が死亡。
・ポリネシア産ナマコの体液が皮膚などにかかり炎症。
ナマコを食べる時の注意?
食べられる種類のクロナマコ(黒い色のマナマコ)に似たニセクロナマコというのがいるそうです。ナマコの仲間には、いじめるとキュビエ氏管と言う内蔵の一部でねばねばした素麺のようなものを肛門から出すものがいます。ニセクロナマコはこのキュビエ氏管を出しますが、クロナマコは出しません(ないんだったかな?)。これで見分けられます。このニセクロナマコのキュビエ氏管には毒があって、本によって「魚にとっては毒性が強いが、人間が食べても大丈夫」と書いてあるものと、「大量
に生食すると中毒の心配がある」と書いてあるものがあって本当のところはどっちなのかわかりません。だから一応黒いナマコの時は突いてみてニセクロナマコじゃないことを確かめてください。
また、これについては、魚図鑑のページを作ろうと思っているので引き続き調べてみたいと思っています。
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●麻痺性貝毒(サキシトキシン[saxitoxin]など) |
熱帯海域から温帯海域に生息するプランクトンが作りだし、それを食べた二枚貝、さらにそれを食べたカニなども有毒化します。
麻痺性貝毒はサキシトキシンなどで、フグ毒とほぼ同じ働きをする強力な神経毒で、致命率が高いのが特徴です。この毒も、フグ毒と同じで、加熱調理しても毒性はなくならないのと、特効薬はないそうです。
また、カニは麻痺性貝毒と共にフグ毒や他の毒ももっているものもいるので特に注意が必要です。
危険なカニ |
麻痺性
貝毒 |
フグ毒 |
備考 |
クマガニ科 |
ノコギリガニ |
有 |
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ワタリガニ科 |
ベニツケガニの一種 |
有 |
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オウギガニ科 |
ウモレオウギガニ |
有 |
有 |
カニで麻痺性貝毒が発見された最初の例 |
ヒロハオウギガニ |
有 |
有 |
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スベスベマンジュウガニ |
有 |
有 |
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ツブマンジュウガニモドキ |
有 |
有 |
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イワガニ科 |
トゲアシガニ |
有 |
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※珊瑚礁域に住むカニ類はガザミ以外は食べない方が安全みたいです。
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●血液に毒がある魚 |
血液に毒があるので生食は避けた方がいいお魚もいます。 また、ウナギ、アナゴなどは加熱して食べれば大丈夫ですが、血液が目や口、あるいは傷口に入るとさまさまな症状が起こる危険性がありますので、さばく際には注意が必要です。
血液に毒性があるお魚 |
備考 |
注意 |
サバ科 |
マルソウダ |
血液に微毒。 |
生食すると中毒する危険あり |
ウナギ科 |
ウナギ |
体表粘液と血液に毒。 |
さばく時の注意点
・目や口に入ると粘膜が炎症
・手などに傷があると化膿 |
アナゴ科 |
マアナゴ |
血液に毒。 |
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